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21 Nov 2023

AIを活用した橋梁点検サポートツールの共同開発を開始

MS&ADインシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険と裾野市は、裾野市が管理する橋梁の点検写真から損傷を検知し、損傷状況の数値化・健全性判定までを行う橋梁点検サポートツールの共同開発を11 月より開始しますので、お知らせします。

 

背景

近年、インフラの老朽化は世界中で大きな社会課題となっています。日本では、1970 年代の高度経済成長期に集中的にインフラが整備されており、国内に約 73 万橋ある橋梁もその一つで、国土交通省が 50 年を経過する前に予防保全を行うという方針を示す中、今後 10 年間で建設から 50 年を経過する橋梁の割合は約 59%に達する見込みです。一方、橋梁のメンテナンスを担う地方公共団体では技術者や予算の不足といった課題を抱えており、効率的な橋梁の維持管理手法の構築が求められています。

そこで、2022 年 11 月に AIOI R&D LAB-OXFORD(以下 Lab)を設立し、AI を活用した最先端技術の開発を行っているあいおいニッセイ同和損保と、「人と企業に選ばれるまち」をスローガンに、先進技術やデータを活用し、都市・交通・社会基盤の構築を通じたまちづくりを目指している裾野市は、橋梁の点検業務効率化や高度化を目指し、共同で AI を活用した橋梁点検サポートツールを開発することとしました。


共同開発の概要

橋梁点検サポートツールは 2 つの機能を搭載したアプリを Lab と協力して開発します。

  1. 橋梁の損傷状態の検知と数値化(2024 年 2 月完成予定)

    • 開発機能:橋梁の点検時に撮影した損傷箇所の写真をアプリにアップロードすることで損傷(ひび割れや錆など)を検知し、大きさ、長さ等を数値化

    • 使用データ・開発プロセス:裾野市が管理する 297 橋の点検結果と写真データを Lab で分析し、AI 学習に活用

  2. 橋梁の健全性の自動判定(2024 年 7 月完成予定)

    • 開発機能:撮影した写真から橋梁の損傷状態を評価し、健全性を自動判定

    • 使用データ・開発プロセス:国土交通省の道路橋定期点検要領に基づき、過去に裾野市で行った橋梁点検の健全性判定のデータを Lab で分析し、AI 学習に活用

アプリの提供

2 つの機能を搭載したアプリを 2024 年 7 月までに開発予定です。橋梁点検を行う地方公共団体の職員または点検業者が撮影した橋梁の画像をアプリにアップロードすることで、ひびや錆などの損傷状態の検知や数値化と健全性判定が可能となります。また、AI が検知、判定した結果を記載した点検報告書を自動で作成します。これらによって、点検者が行う損傷箇所の測定・点検報告書作成の負荷を軽減し、健全性の判定を均質化することで、正確かつ効率的な橋梁の維持管理に貢献します。

今後の展開

あいおいニッセイ同和損保は開発した橋梁点検サポートツールを 2025年 1 月より全国の自治体に向けて展開します。また、テレマティクスデータから得られる車両の振動データ等を活用して AI を高度化させる研究や橋梁以外のインフラメンテナンスにおける AI 活用にも取り組んでいきます。

裾野市では、本取り組みを通じて、先進技術やデータを活用し、効率的な橋梁の点検体制の構築と、より精度の高い判定技術、ノウハウを蓄積することで安全・安心な未来志向のまちづくりを推進するとともに、「時代とニーズにあった市民サービスづくり」の実現を目指します。

 

あいおいニッセイ同和損保のプレスリリースはこちら

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